いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

Mute Form Pads を使ってみる

キーボードのトッププレートに貼り付けるタイプのフォームパッドを使ってみた。その所感。
併せて新しいキースイッチも導入したので、その様子も記す。

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動画にて、作業の様子と打鍵音の確認ができる。
 

やっぱりリニア

メインのキーボードのタイプミスを改善したくて導入してみた「HolyTom V1」は、一月くらい使ってみたけど、結局手に馴染むことはなかった。

morning-sneeze.hatenablog.com

やっぱり、タクタイルスイッチはキーの押下に違和感があって使いづらかったのだ。はじめは新鮮味もあって楽しめたのだけど、数日で飽きてしまった。
そしてトドメとして、ときどきチャタリングが発生するようになった。その時点で殊更に原因を突き止める気になれず、愛用のリニアスイッチに戻す決心が固まったのだった。

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タクタイル、相性悪いな……
 

新しいキースイッチ

手持ちの「Alpaca V2」「Tangerine V2」に戻してもいいのだけど、せっかくなので最新仕様のキースイッチにしてみることにした。
以前お試しで少量入手して、思いのほか具合の良さそうだった「Gateron CAP Milky Yellow V2」を、必要分購入した。

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Gateron CAP Milky Yellow V2
ちなみに、キーボードは「MelGeek Z70 Ultra」。かなりの薄型で、CherryMXオリジナルサイズのスイッチを搭載しながらパームレスト不要なのが重宝している。
「Milky Yellow」は、いわゆる「黄軸」である。ハウジングが乳白色で、このタイプは通常のクリアよりも打鍵音が若干柔らかい。

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ひとつ前のモデルのほうは、軸ブレが大きめだったらしい
ただ、このキースイッチはニューモデルで、旧来型より軸ブレがかなり改善されている。
キースイッチによっては、あまりにもトップハウジングのホール寸法を狭めすぎて、ステムを締め付けてしまうようなものもあるけど、これはちょうどいい塩梅。
しかも工場潤滑済み。
 
現状、メカニカルキーボードのCherryMX互換スイッチは、これが完成形なんじゃないかと思う。
 

キースイッチの潤滑

とはいえ、スイッチ内部は気に入っている潤滑剤で塗り直す。
 
スプリングには定番「Krytox GPL 105」。軸には「同 205 G2」を使用。

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使用した潤滑剤
最近、軸に塗る205はG0ではなくG2を使用している。グリスなので筆で塗りにくいけど、静粛性はこちらのほうが上。

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現在の潤滑作業風景
あまり必要なさそうだったけど、ついでにハウジングにフィルムも挟んでおく。
PC製0.15mm。
 

スプリングについて

このキースイッチの仕様であるアクチュエーション50g、ボトム63gだと、自分の指にはやや重く感じる。赤軸相当になるように、交換用のスプリングも用意した。
最近流行りの多段レイヤーのロングスプリング。

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45g相当
しかし、このキースイッチ、中央のポール部の凹凸が従来と逆に作られており、ボトムハウジングの凸部に軸側の凹部が覆い被さるような構造になっていた。
分解してみて初めて知ったのだった。
 
そして、被さる軸側がやや太めに作られており、現行の互換スプリングは径が小さくて嵌らないことが判明。

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MX互換スプリング

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CAP V2 内蔵のスプリング
この仕様を事前に知っていれば、別の軽量キースイッチにしていたのだけど、致し方ない。スプリング交換は諦めた。

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相変わらず、手間のかかる作業だ
 

フォームパッド

潤滑作業を終えたら、キースイッチをキーボードに取り付ける。
ただ、今回はその前に、キーボード側にフォームパッドを貼り付けておく。
 
某通販で120個分セットを500円程度で購入。

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フォームパッド
これ、正式な呼び名がわからない。ここではとりあえず「フォームパッド」とする。
 
何に使うのかというと、キーボードのトッププレートの、キースイッチが嵌る開口部の縁にこの黒いパッドを貼り付けておき、キースイッチで挟む。すると、プレートとスイッチのわずかな隙間が埋まり、キーボード内部の異物混入予防と、消音効果を及ぼす、というもの。

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使うのは、切込みの外側の部分だけ
この類のアクセサリーはピンキリで、効果をイマイチ実感できないものも多くある。
ただ、以前使用したスタビライザー用の静音フォームはかなり有用だった。それと似た造りなので、多少なりとも変化はあるだろうと予想して導入してみた。
 
フォームパッドの材質はいくつかあったうち、今回はPORON製をチョイス。ウレタンフォームの一種らしい。厚みは0.4mm。
けっこう柔いので、台紙から剥がす際に引きちぎらないよう注意が必要。

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意外と手間
作業としては基本的に、プレートにひたすら貼り付けていくだけ。
ただし、2Uのスタビライザーと干渉するため、そこだけはシール側を少し切除して小さくする加工を要した。

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だいたい貼り終えたところ

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その上からキースイッチを嵌めた図
 

音の変化

さて、肝心の打鍵音である。
施工前後で打鍵音がどの程度変わったのかは、動画で比較しているのでそちらで確認できる。
動画にもある通り、大差無いことがわかった。
 
キースイッチ自体は、かなりイイ感じだ。やや低めの音程で、柔らかい音。イメージ通りである。
しかし、フォームパッドに関しては、録音したものを聴き比べると若干の変化はあるものの、聴感上は同等。響き方や音量についても、特別静かになったようには感じない。
 

まとめ

フォームパッドについては、そこそこ手間がかかる割に効果は薄かった。
今回はキーボード一種のみなので、あくまで参考だけど、静粛性を上げるために行う改造としてみるならば、優先順位は低いように思う。
 
たしかに防塵作用はありそう。だけどこれも、フォームパッドがあることで今度はトッププレート表面の清掃がしにくくなるし、パッド自体に埃やゴミが溜まりそうなので、別段の理由がない限りインセンティブはとりわけ見つからない。
今回使用したのはウレタン製なので、長期使用だと加水分解でギトギトになったりだとか、むしろ弊害のほうが大きい気もする。
 
うーん。
 
とりあえず、次にこのキーボードをなにかしら弄る機会が来るまで、そのまま運用してみることにする。
 
終。
 

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