いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

(noteアーカイブ)2020/11/14 (土) 臭いで酔う

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昨日の本屋の帰り、バスに乗っている頃から気持ちが悪い。
吐き気がある。当初は、久しぶりの温泉で温まった後にバスに揺られたことによる乗り物酔いかと思っていた。でも、そうではなかった。

温泉施設で使ったシャンプーとコンディショナーの香料が髪の毛に残っていたのが原因だった。

普段は、頭の洗浄に石けんを使用している。というか、全身を一つの石けんで洗っている。
石けん自体は特段変わったものではない。そこら辺の薬局に売っているごく普通のヤツ。安価であることも理由のひとつだけど、お湯で簡単に洗い流せて、洗い上がりがさっぱりするので長年使い続けている。
ボディシャンプーなどの液体洗剤だと、お湯で流しても肌にいつまでも滑り気が残っていたりして、それを落とすのに手間がかかる。汚れを落とすための洗剤を落とすのに苦労するのは、なんともおかしな気がするので使っていない。
だけど、それらが肌に合わないわけではない。だから「絶対にシャンプーは使用しない」というわけではない。今回もそうだけど、外出先に備え付けてあるものは、特に理由がない限りそのまま平気で使っている。あくまでも日常で使用するものを石けんにしていると調子が良いから、ということだ。それで問題はなかった。

ただ、今回は事情が異なっていた。普段よりも髪がだいぶ伸びていたのである。
今年に入ってから、流行病の影響で美容院に行く回数が減った。それを機になんとなく髪を伸ばしていて、今は肩の少し下くらいまである。そんな髪をシャンプーやコンディショナーで洗うと、それらに含まれる香料は髪が伸びた分だけ多く移る。
どうやら、相当量の「良い香り」を自分の顔周辺に振り撒いていたらしく、それを鼻呼吸で無意識に常時吸い込んでいたら、自身の許容量を超えてしまい気分が悪くなった、ということのようだ。

昔から、臭いには敏感だった。
頭がムカムカして酔ったような状態になる原因は、たいていなにかが「臭うから」だった。
それが顕著なのが、車だ。車に乗るのが嫌いなのは、酔うからだ。
小さい頃から自家用車やバスの車内の臭いで吐き気を催した。揺れによる三半規管への刺激はそれほど関係がなく、とにかくガソリンと何かが混ざったような車内の独特の臭いがダメ。なるべく自転車やバイク、鉄道で移動するようにしていた。タクシーも極力使わない。今でもその行動様式は変わらない。
衣類の洗濯洗剤も無香料のものを使用している。
香りの強い柔軟剤はもってのほか。石けんは洗濯機がカビやすくなるので使いたくないし、重曹セスキ炭酸ソーダだけでは汚れを落としきれないことがある。そうなるとやはり界面活性剤を含む洗濯洗剤を使うことになる。今でこそ香料を含まない洗剤が多く発売されているけど、10年ほど前まではほぼ選択肢がなく、入手性も低かった。
香水の類もダメだ。
安いオーデコロンは軒並みNG。自分は付けなくとも、ふんだんに香らせている自分以外の誰かが近くにいるときは、萎える。その場から離れられるのならいいけど、そうもいかないときは、諦めるしかない。
とはいえ今回は、自分も知らず知らず臭いを振り撒く側だった。気をつけなければならない。
そのほか、エアコンの風とかエレベーターの中とか、吸い込むと両耳の上のあたりを圧迫するような嫌な臭いのする環境は、意外とある。

化学物質過敏症の一種なのかもしれない。一時嗅ぐ程度なら問題ないから、たぶん軽度なほうだとは思うけど。

生きにくい原因は、自分の生来の性格だけにしてもらいたいものだ。

髪から発する「良い香り」は、ひと晩置いてもあまり衰えていない。石けんにも香料入りのものがあるけど、髪が乾いてしばらくすると香りは気にならなくなるんだよな。「~エキス」や「~油」とか、天然物から精製したものを香料として含んでいる石けんを意識的に選んでいるからかもしれない。

香料を落とすために石けんを使って頭を洗い直す。
でもこれが意外と、落ちてくれないんだよな。毛ではなくて角質層に染みついているのかもしれない。汚れよりよっぽど悪質。
なんだかな。

髪、切っちゃおうかしら。