いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

(noteアーカイブ)2020/10/08 (木) ロースター/反出生主義

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雨。台風の影響だろうか。

絶好のウーバー配達日和なので稼働するつもりでいたけど、どうにもやる気がしなくて止めた。
雨の日に外出するのが億劫になっている。でも、これが本来の心境なのかもしれない。出掛けるべきじゃないんだよ。雨なんだから。

家にある食料を適当に食べながら、引き籠ることにした。

まだ淹れたことがないコーヒー豆だと勘違いして、コスタリカのジャサルをまた買ってしまった。

morning-sneeze.hatenablog.comミディアムロースト。まん丸で小振りだけど、身が詰まっていて重い豆。
とりあえず飲んでみる。口当たりがクリーミーで、一瞬ミルクチョコレートのような風味がする。
レモンやライムのようなクリーンな柑橘系の酸味と程よい苦み。まろやかなコクが口に広がる。やっぱり美味いな。
これ、たぶん焙煎が上手いのだろうな。
Amazonで出店しているビーンズショップの豆を買うことがあるけど、結構ハズレが多い。豆自体がパサパサで淹れると香ばしさよりエグミが出る。そんな豆たちは、品種が異なっても淹れるとだいたい同じような風味のコーヒーになってしまう。
生豆の焙煎を自分ですることはないから詳しいことはわからないけど、難しいんだろうな。煎るのって。

日々のドリップコーヒーを美味しく淹れられるかは、やっぱり身近に信頼できるロースターがあるかでほぼ決まる気がする。いくら自前のドリップ機材にこだわろうが、上手にドリップしようが、豆自体が美味しくなければ意味がない。
自前で焙煎をしないのは時間がかかって面倒くさいというのもあるけど、品質を一定に保つ技術がないのも大きい。そこの品質維持を専門家であるロースターに任せることで、味の比較ができるようになる。

都会から離れるとなると、自分に合ったビーンズショップを見つけるのが難しくなるのだろうな。
早く引っ越したいけど、結構気掛かりな点だ。

現代思想 2019年11月号 反出生主義を考える」を読む。

この本の前半にあるデイヴィッド・ベネターの論文の日本語訳のページを読み終えた。
記述のレベルが高くて読むのに苦労した。ほぼ睡魔との戦いだった。論文以降の後半のページは読んでいない。気力が尽きた。
ミソなのは、論文の後半にある人生を「始めるに値する」と「継続するに値する」とで区別している点。
この論文は、ベネターの著書「生まれてこないほうが良かった 存在してしまうことの害悪」の補足と、批判者による反論に対する返答が主な内容となっている。反論には様々な論法があるみたいだけど、概して前述の区別をせず一様にして論じているように見受けられた。ベネターはその点をさんざん「そうじゃないでしょ?」と述べている印象だ。
人生を始めるに値するかどうかに焦点を当てれば、たぶんベネターの論理は正しくて、受け入れざるを得ない。シンプルゆえに覆すことは容易でないと思う。おかしなことを言っている感じもしないし、特段の感想もない。
では、なんで論争が起きているのかというと、やっぱりこれも"生のストーリー"に乗せたいからなのだろうな、という気がしている。生まれてこないほうが良い=死と同等と考える節があって、認めてしまったら何もできないじゃん、と。そうではなくて、どうにか生きる理由付けを見つけましょうよ、と。
そこじゃないんだよな。
「存在しなければ喜びはないけど苦しみもない」。これって、みんなそんなに受け入れ難いのだろうか。
この事実を覆さなければならない理由ってなんだろう。