いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

2021/05/17 (月) 生まれてきたことが苦しいあなたに/いえめぐり

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5月、半分終わっちゃった。
 
起き抜けから疲れている。身体に力が入らない。昨日の疲労が今日になって表出しているような気がする。
睡眠ログによると、覚醒時間が通算一時間以上あったらしい。疲れ過ぎで眠れていないのか。

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サイクリングの走行距離は半分くらいに減っているはずだけど、それでもダメなのか。身体の衰えるスピードが想像以上に速いのかもしれない。
バブル世代というのは、最初から最後までボーナスゲームできるんだな。別世界に生きる人々というべきか。少なくとも何が「壮絶なリストラ」なのかわからない。
 
雨はそれほどでもないけど、風が猛烈。本日のサイクリングはどうしたものか。
読書と部屋の整理を少ししながら、夕方まで様子を見ることとする。
 
「生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミストシオランの思想」(著:大谷 崇)を読み終える。
悲観主義者と称される思想家シオランの人生観に関する言動をまとめた書籍。
シオラン本人は持病をいくつも抱えていたこともあり、青年期から老年期にかけて一貫して人生を暗く受け止めたとされる。本人の著作や当時の対談からその片鱗を読み取れる。それらを本著者の解説や考察とともに紹介している。
ただ、この本にある限りではあるけど、言動に対してそれほど「暗い」印象を持つことはなかった。言っていることはその通りで、「そうだよな」と共感するに留まった。常日頃ボンヤリ思っていたり湧いて出た一瞬の感情を、上手いこと言語化してくれたなと感心しきりだった。
シオラン自身、病気がちではあったものの表向きは決して憂いや悲愴を感じる人物というわけではなかったようだ。「現世における成功や勝利は人をダメにする」といいながら本をいくつも出版して賞をもらっていたり、「友情は自然に反するものだ」といいながら当人はおしゃべり好きで明るい人柄だったそう。子供はいないけれど妻帯者。なんだか頭に思い浮かべるペシミストっぽくない。
人は生まれてこないほうが幸せだよね、という反出生主義的な考えも持っている。さらに死はあらゆる態度を正当化するとも言ってのける。だけど、それをいざ実行しようとしている人に対して告げるわけではないという。
有言不実行を地で行く人。そんな印象。だけど、たぶんシオランは現実と折り合いをつけて生きなければならないことも重々承知だった。生きながら生きる苦しみから解放されるのは、方法はあっても賢者でもない限り無理だということも解っていた顕れだろう。そこにいるのは結局、慧眼で、分別のある、自身を律することができる、頭のキレる人物なのだった。まあ、晩年はそうでもなかったみたいだけど。
「真実はこう。だけど、こんなの実行できるわけないじゃないか。クソ! どうしようもないな人間は!」とかボヤいていそう。そんな想像をさせるところがシオランの魅力である気がする。もし現世にシオランがいたらちょっと話をしてみたいな、などと思ってしまった。そういった意味での"救い"が、この本にはあるのかもしれない。
 
積んでいた別の本を開く。すると、それもやっぱり人間社会の生と死に関する本だった。続けて読むにはちょっとしんどいので、何か別のジャンルにしよう。
 
「いえめぐり」(著:ネルノダイスキ)を読み終える。
いえめぐり (ビームコミックス)

いえめぐり (ビームコミックス)

 
不思議な不動産住宅を紹介していく漫画。
かと思いきや、家屋らしい家屋は最初の一件のみ。紹介物件が進むにつれ、どんどん得体の知れないものを案内されていく。
期待していた内容とは違ったな。変な間取りや環境の住宅を見てまわるものだと思っていた。最後のほうは読んでいて気持ち悪くなってきた。口直し的な意図で読むものではなかった。
 
読書とYouTubeを覗くだけの日だった。
一言も声を発せず、食事もほどほどに、ダラダラと家で過ごす。これがずっと続けばいいのに。