いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

(noteアーカイブ)2020/12/04 (金) 「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ

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今日も目覚まし時計を鳴らさず起床。
やっぱり1時間遅れて起きる。

温泉には行かなかった。気が乗らなかったから。

寒い。手足が冷たい。
陽が落ちるとダメだな。

「「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ」を読み終える。

思ったことがあるどころか、日記にしょっちゅう書き込むほどには常々感じている自分に宛てられた本みたいだったので読んでみた。
死について語るときにまず思うのが、「死にたい」と思った人間にちゃんと寄り添えるのは、死んだ人間だけだということ。
生きている人間が死にたいと思っている人間に近づくことは、それ自体が既に生きることへの圧力になる。
死んだ人間が生きた人間に寄り添うなんてことは、当然不可能である。だから、いずれもポジショントークとして読み解く必要がある。これが大前提だ。
この書籍には、著名な方々の短いメッセージが纏められている。様々な立場で、各々の言葉遣いで文章を綴っている。数ページの短い漫画による表現もある。
その中には、「自分も死にたいと思っていたし、今も思っているけど、こうやって乗り越えてなんとかやってるんだよね」という方も何名かいらっしゃる。
結局全ページ読んでしまったけれど、その方々のページは読み飛ばしてしまってよかったなと思った。「そうかい。よかったね」という感想しかないからだ。
生きていこうとしてその軌道に乗れた、成功者たちのメッセージだからだ。
もしもこれらのメッセージを受けて「死にたい」「消えたい」感情をどうにか落とし込めるのなら、たぶんこの書籍を読まなくても何とかなるのだ。死にたいなと思って本を取るのはこういう人たちではない。そういうことを知りたいんじゃないのだ。
読むべきなのは、それ以外のページだ。
「死」とつきあっている方々の、ボヤキとも取れる文章だ。

自殺はダメなことなのでしょうか。結論からいうと私はよくわかりません。君に向かって死なないで欲しいとは言えるけど、自殺はよくないことだとは言えません。
(p.30)

「死んだらダメだ」って頭ごなしに言うのは、相手が心配なだけじゃない。実は、相手の命をコントロールしようとすることなんだ。
(p.68)

「生きる・死ぬ」このことは、人間にとって厳粛なものであることは誰も疑わないだろう。だけど……「死にたい」生きられない苦しみを、どれだけの人が厳粛な気持ちだと受けとめるだろうか。
(p.102)

死人が言語を発することはない。生きた人間から死について言葉を得たいのなら、結局、その道の人たちに頼るしかないのだ。
なんせ、生きながらにして死に近い立場に身を置いていたり、毎日のように考えている方々なのだから。
そうだとしても、もちろん死んだ経験は無いから、究極的にはどこまで真実なのかわかっていないだろうし、認識が間違っていることもあるだろう。だけど仕方がないのだ。死んだことないんだもの。
死にたい、消えたいという感情は、各々が抱くものであって、誰かが肯定否定できるものではない。その認識がある、その点を踏まえて考えられる人間もいることを読者に伝えられる本ではあると思う。
「14歳の世渡り術」シリーズの一冊ということで、文章も平易で頻繁にルビがふってあったりするけど、河出書房新社のホームページには「中学生以上、大人まで。」とある。万人が読めるし、読んでも何らおかしくない内容だ。
読み終えた後に「じゃあ生きるか」となるかといえば、そうはならなかった。でも、心身共に苦しみが極まると読書もできなくなる。
読めるうちに読んでおくほうがいい。

今日は早く寝よう。