いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

(noteアーカイブ)2020/11/01 (日) 鉄道移動が好きな理由

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疲れた。

電車に乗って都心に向かう。
鉄道に乗って移動するのが好きなのは、乗っている者が自分と同じ人間になるからだ。
社会に必要とされている人も、これから遊び呆ける人も、帰る家がなくて途方に暮れている人も、この国から出ていこうとする人も、金属の長細い箱の中では誰も彼も一律で、各々の目的地まで動かずじっとせざるを得なくなる。
車両が動いているときは何もできず、ただひたすら到着を待つだけ。その状態が自分と同じだから安心するのだろう。
自分もそれくらいならできる。むしろ、何もしないのは得意だ。
だから、昨今走り出している絢爛豪華な観光列車の類には惹かれないのだな。あれは、アミューズメントの一種だ。移動手段ではない。サービスを楽しまなければならない。
少なくとも鉄道を使うことが好きで乗るのとは違う気がする。お金を払って、生活に直結しない異世界に身を置くための装置だ。ディズニーランドみたいなもので、要するに鉄道でなくてもよいのだ。
運命共同体」というと過言だけど、鉄道にはそれに近いものを感じる。
どんな事情があれど、何人たりとも車内では溶け合い均一化されて、時が止まる。そこが好きなのだ。

昼間に都心でウーバー配達をした後、陽が落ちてから横浜でも稼働した。
最近の都心部は配達員が過剰でピーク時間帯ですら鳴らないことが多いため、効率の落ちる横浜で稼働しているのとどっこいどっこいになってしまった。それどころか、受注頻度でいえば横浜のほうが上かもしれない。
まだ検証は必要だけど、こんなことなら地元に近い横浜で走り回っているほうがよいかもしれない。わざわざ東京まで出向く時間と運賃がもったいない。

近所のスーパーでは、店内にクリスマスのBGMが流れはじめた。

コーヒー豆を買う。
グアテマラ/サンタカタリーナ。ミディアムロースト。
有名どころ。以前はシティローストを買ったので、今回は浅煎りにした。最近深煎り豆ばかり淹れていたからな。
豆の状態で落ち着いた華やかさを纏う香り。挽いても同じ。
淹れると、酸味寄りのさわやかなバランス。深煎りよりも酸味がよりはっきりとして、クリーミーさよりもヌケの良さが際立つ。その酸味と絡むような苦味と、わずかな甘み。
サンタカタリーナはグアテマラの中ではコクがあるほうだと紹介されることが多いみたいだけど、浅煎りだからか割とあっさりとしている。最後まで酸味が残るので、スカっとしたストロングなコーヒーが好きならよいかもしれない。