いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

Death's Door 所感

Steamのスプリングセールで安くなっていたので購入。
 
  • 進捗はトゥルーエンドを見終えたところまで
  • あとは自身の能力値を完全に上げきれば進捗率100%となる状態
  • 蒐集品はすべて自力で回収
  • トゥルーエンド到達の条件探索は面倒になったので、攻略情報を確認した
  • 傘でのクリアはしていない
 

概要

いわゆるクオータービューの見下ろし形で進む、3Dアクションアドベンチャーゲーム
魂の回収を担う死神業(?)を生業とするカラスが主人公。とある目的達成のため、世界に点在する長寿の魂をひとりで刈りにまわることになる。

ゲームシステムは至ってシンプルで、各ダンジョンの謎解きをしながら、近接と遠距離攻撃を駆使し、敵を倒していくだけ。
 

ゲーム性

描写は3Dだけどカメラが基本固定で、感覚としては2Dアクションに近い。そのため、プレイングがオールドの「ゼルダの伝説」と似てくる。
ただし、難易度はゼルダシリーズのそれとは異なる。本ゲームのプレイヤーは、
  • 攻撃をガードできない(一部の遠距離攻撃を近接武器で跳ね返すことはできる)
  • 自身の体力(バイタリティ)が少なめ
  • 体力回復や能力値上昇の消費アイテムを持ち歩けない
というシステムに則りプレイするからである。
 
敵の攻撃を防ぐ手段が、基本的に無い。受ければ問答無用でダメージとなる。よって、攻撃を瞬時に見切り、スピーディーに立ち回ることを心掛けることになる。うまいこと切り抜けないと展開によっては一瞬でやられてしまうこともあるのは、最近のアクションゲームだなという感じ。

主人公には、初期では攻撃を3回まで耐えられる体力ゲージが存在する。これは最大値を上げることができるとはいえ、最大まで上げても6回攻撃を受ければ"DEATH"となる。
さらに、本ゲームは自身が任意で使えるいわゆる消費アイテムの類は存在せず、敵を倒しても「ソウル」以外のアイテムをドロップすることが無い。道中で削れた体力を回復するには、
  • 拠点に戻る
または
  • 道端に落ちている「種」を拾い、所定の場所の「植木鉢」に植えて成長させる
ことで行えるシステムとなっており、特定の場所でしか回復できない。つまるところ体力を回復しながら押し通すということができない。そこにたどり着くまで、都度ていねいに敵を叩きのめしていく必要がある。
 
とはいえ、植木鉢に植えた種はいったん拠点に戻るたびに再び成長するし、やられたとしてもなにかペナルティがあるわけでもないので、幾度も死に戻っては難敵に挑戦していくところにゲーム性があるといえる。
自分の経験した限りでは、一撃死も無かった。穴に転落しても、体力が残っていれば落ちた付近から再スタートとなる。
 
また、
  • いわゆる「スタミナゲージ」が存在しない
  • 前転による回避が優秀
であることは、ゲームバランス的に特筆するところである。
前転は発生した瞬間から停止まで基本的に無敵状態で、近接攻撃にも派生する。かつ、それを連続で使用したとしても息切れすることが無いので、集中力の続く限り連続で繰り出せる。延々と回避し続けることが可能なのである。
これらの点で、とにかく動きまわることに特化したアクション性を求められるわりには優しい調整となっている。
 

雰囲気

物語の中核となるのは「生きる者たちの生と死」であるけど、登場キャラクターがコミカルだし、台詞回しもユーモアを交えた楽しいものが多く、重苦しい感じはしない。
このあたりも、なんとなくゼルダシリーズっぽい。主人公のカラスが終始無言なのも良い。

対して、デフォルトの設定では、切り刻まれた敵の亡骸や血痕がフィールド上にいつまでも残っていたりするので、激戦を制した後に我に返ってあたりを見渡したら凄惨な現場になっていた、といったことがままあったりする。そこもまた一興。
 
ストーリー展開もオーソドックスで安心できる。自分の所属する立場の外でなにか良からぬことが起こっているような示唆とか、徐々に真相に近づく感じなどを、あまり多くは語らない形でプレイヤーに開示していくのは、キャラクターの特徴的な外観も相まって絵本を読んでいるようでとても上手いなと思う。

トゥルーエンドでは、そもそもこの主人公のカラスは何者なんだ? というところが焦点となる。
ただ、ここもちゃんと明かされるわけではなくて、含みを持たせる形で終わる。トゥルーエンド突入までの道のりが多少面倒なので、その見返りとしてみた場合にちょっと物足りなさというか、消化不良の感がある。続編に繋げるための伏線なのかもしれないけれど。
 

まとめ

最近のアクションゲームは、できることが多い反面コントローラー操作が煩雑で、それが億劫で避けたりもするのだけど、このゲームは操作自体が単純なので、スーパーファミコンあたりの作品をプレイしている感覚が蘇ってきて懐かしかった。
 
決して簡単ではないけど特別難しすぎるわけでもない、ちょっと頑張ればクリアできる絶妙な難易度と、極めてシンプルにまとめられたゲーム性に、高評価も頷けるアクションゲームだ。
 
終。