いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

The Messenger 所感

Steamのセールの通知を受け、気が向いたので購入。
クリアしたけど、DLCのエリアは入っていないので、それに関連する実績が未解除のまま残っている。難易度の上がる「New Game +」も未プレイ。
「力の封印」はすべて破壊。

 

ストーリー概要

世界から隠遁するようにひっそりと暮らす人間の集落に、予言として伝わる悪魔が突如襲来。

謎の人物に助けられた主人公は、「三賢者」なる者たちのもとまで「巻物」を届けてほしいと告げられ、半ば成り行きで「使者」となるのだった。

為すべきことは明快。しかし、後述するとおり、当初の目的を果たしたあとにゲーム性が変化することや、このゲームの5年後に発売された大作RPG「Sea of Stars」との繋がりをにおわせる描写もあり、バックストーリーに奥行きを感じる。

 

ゲーム性

横スクロールの2Dアクション。クラシカルなドットのグラフィックで統一された道のりを走る。

序盤は各ステージを順に踏破していくステージクリア型で、道中でプレイヤーのできることが増えていく定番の仕組み。

しかし、ストーリー中盤からは目的が移り、クリアしたステージを再訪するかたちのメトロイドヴァニアに変化するのがユニーク。その過程で新たなステージを発見していき、攻略も物語も範囲がさらに広がる。
さらに後半、横スクロールのシューティングゲームの要素も挿入されたりする。

 

操作

基本は背負った刀でザクザク切りつけ。使用回数に制限のある手裏剣による遠距離攻撃。このふたつで敵を蹴散らしていく。チュートリアル不要なほどシンプルな操作。
そこにグラップルと滑空が加わると、スピーディーな戦闘が可能となる。

二段ジャンプのようなアクションは、対象物を空中で切りつけると一度だけ空中ジャンプができる仕様。

作中「雲踏の術」と呼ばれるこの操作の感覚は、攻撃できる対象が目の前にあればいつまでもジャンプし続けられるあたり、『風のクロノア』っぽい。当然、このアクションを多用するステージギミックも多く登場する。

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操作に迷うことはないけど、タイミングがシビアだったりして煩雑になりがち。ハチャメチャに難しくはないけどアクションゲームが好きな人向けの難易度かな、という気はする。
 

ドット絵の変化

2018年発売のゲームであり、今さら紹介するまでもない気もするけど、やっぱりグラフィックに感動したのでまとめておきたい。
本作では現在と未来を行き来するタイムトラベルの要素があり、前者をファミコン世代の8ビット風、後者をスーパーファミコン相当の16ビット風で表現しているのである。

経年変化を感じる趣のあるステージもあれば、同じ場所でありながら状況がまったく異なっているステージもある。それがステージギミックの一要素として組みこまれているのだけど、未来はどういう経歴でこうなったのか想像を膨らませながら進むのもたいへん面白い。

背景はもちろん、キャラクター、アイテムもすべて変化。「このオブジェクトはファミコン版のほうがカッコいいな」とか「この敵、スーファミ版だと解像度上がりすぎてもはや別物じゃん」など、両者の違いを見比べながら進むのも楽しい。
本作の醍醐味である。ゲーム中盤、メトロイドヴァニアになってからが本番といえる。

グラフィックがどちらの状態でもプレイングの感覚がまったく変わらないところは、現代的だなと思う。ガワが瞬間的に変更されても、キャラクターやオブジェクトの挙動は原則として同じまま。プレイ中、ストレスになるような違和感がいっさい無かった。
 

BGM

グラフィックの変化に合わせてBGMも変化する。8ビット風の世界は、1980年代の家庭用ゲーム機のエミュレートを強く意識したアレンジ。16ビット風の世界では、どちらかというとテクノポップ調となっている。
どちらのアレンジも音数が多いので、ゲーム実機の雰囲気とはちょっと離れているけど、どの曲もキャッチーで頭に残るものばかり。

 

なぜ忍者?

壁をよじ登る技術だったり、手裏剣を投げたり、忍者らしい動きを見せる主人公を始め、登場キャラクターのセリフ回しが皮肉の効いた小洒落た言いまわしで、緊迫した場面のはずなのにどこかまったりとした空気が流れているのが面白い。

しかし、なぜ忍者? という気もする。メインストーリーをクリアすると、とある理由で人間が最果ての地に逃れて隠遁生活をおくるようになるまでの歴史が明かされるけど、そこからなぜ戦闘員は忍者になったのかの明確な理由が語られず、動機付けが薄い気がする。

メタ的なことを述べれば、日本の古いゲームをオマージュしていることはもちろん理解する。まあ、それもほかの未プレイの作品で判るのだろうか。あるいは今後の作品で明かされていくのかもしれない。
 

まとめ

いろいろ自分にブッ刺さるゲームだった。なんで最近までプレイしなかったんだろう。
難易度もほどよい歯ごたえがあってちょうどいいし、ボケ防止に定期的にコントローラーを握ってみてもいいかもしれない。

 
終。