いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

Mini Metro 所感

Steamのオータムセールで半額だったので購入。ノーマルモードを9時間ほどプレイ。

ひたすらに、点と点を線で繋げるゲーム。
フィールド上にランダムに出現する駅に地下鉄の路線を引き、駅間を移動できるようにして、定期的に駅に現れる利用客を目的地まで運べるようにする。乗客が無事目的地で降車できるとポイントが1加算される。そのポイントをどこまで伸ばせるかを競うもの。

最初は3つしかない駅は、一定時間経過すると新たに出現する。〇や△などの図形で表される駅の種類も徐々に増えていく。路線が広がるにつれ利用客も増加していき、各々の目的地の種類も多彩になる。駅には利用客の待機時間が設けられており、目的の電車がしばらく来ないと混雑する。その状態が一定時間解消されないとゲームオーバーとなる。

本ゲームにストーリーらしいストーリーはいっさいない。印象的な演出や場面転換もない。ただひたすら無限にポップしてくる駅にラインを繋げて、路線を延伸していくのみ。しかし、これがとんでもなく奥が深い。
ひとつの路線に走らせられる編成数は限られており、車両の定員数も上限が決まっている。駅の数が少ないときは問題ないけれど、マップが徐々に広がって運行距離が長くなってくると、駅の待ち時間が長くなったり増え過ぎた客が乗りきれず積み残しが出たりする。

一応、ゲーム内で一週間が経過するたびに「先頭車両」なる一両を確定で貰えて、既存の路線や新規路線に割り当てることができる。さらにはそれに接続できる後続車両を一両ゲットできたりもするのだけど、いずれも毎回一両ずつなので、一編成あたりのキャパを増やして輸送量を上げることが基本的には不可能であることを念頭に置く必要がある。あくまでも効率的な線形と停車駅の設定で客をさばくのである。この結果、何度プレイしても、とにかく
「列車の本数が足りない!」
と心のなかで叫びながらてんやわんやし、ゲームオーバーを迎えることになる。
限られた運行本数のなか、いかにして効率の良い路線系統を設定できるか。もっと言えば、現況から利用状況を把握し解法を発見できるか。これが唯一のゲーム性である。気付けば現実世界の都会の鉄道会社と同じ課題に苦心することになって、公共交通網の管理運営の難しさを身をもって知ることになり、関係する遠近に感恩の意を表さずにはいられなくなる。

ゲームとして、というか鉄道として捉えたときに、気になるところもある。
ひとつは、路線がクロスすると、そこを列車が通過するさいに列車のスピードが少し落ちること。ゲームが進んでくるとこの速度低下もバカにできない要素なのだけど、少なくとも地下鉄であればそうはならないんじゃないの? という気がする。河川を横切るのに回数制限があるのも、これが橋梁なら理解できるけどトンネルなのになんで? となる。
いまひとつは、駅間の線形を変更する自由度が低いこと。難易度を上げないかぎり、いったん敷いた軌道はあとから変形することができるのだけど、縦/横/斜め45度の三択で駅間の最短距離を繋ごうとするので、「ここは河をよけたいから少しだけカーブさせたいな」みたいなことがほぼできない。まあ、これができてしまうと複雑になるので、ゲームのデザインとしてあえて縛っているようにも思える。ゲームオーバーのあと、それまで作ってきたマップを実物の路線図風なデザインでスクリーンショットを撮る機能があったりするので、プレイヤーは鉄道網のモダンな地図を作図する感覚になることを、制作側が意図しているのかもしれない。
あまり茶々を入れるところではないんだろう。

マップの地形は数種あり、スタートの地点や駅の出現位置はプレイごとにランダムで決まるため、毎回オリジナルの鉄道計画を整備しなくてはならない。昨今のゲームにありがちな射幸心をあおる演出は皆無であり、プレイ中は瞑想でもしているかのような感覚になる。ゲームオーバーまでにけっこう頭を使うので長時間のプレイはできず、端的に言えば単調である。しかし、操作が少ないからこそ手をつけやすく、よっていくらでも時間を潰せてしまうのだ。
 
終。