いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

YAMAHA NS-1 classics をメンテナンスする

やや調子の悪いヤマハのブックシェルフ型スピーカー「NS-1 classics」を入手し、諸々手を入れて出音を復元した。その備忘録。

 

ついに入手

前々から手に入れたかったスピーカーに、ようやく手が伸びた。ヤマハの「NS-1 classics」という、1988年発売の2ウェイシステム。

YAMAHA NS-1 classics
もはやヴィンテージの域にあるこの製品、一時期、自分はヤマハのスピーカーに関しては、この製品の入手が最終目標だったことがある。机の上に置けることが条件のパッシブスピーカーとしては、おそらくこれ以上のものは無いだろうとの予想からだった。
中古市場でもそれなりの金額で取引されているし、いずれ安くなるのを待つか、と思っていたら数年経っていた。このたび、某大手中古製品取扱店にて動作品が手ごろな値段で販売されていたのを発見し、入手できた。

掘出し物だった
この製品は、ヤマハのウェブサイトのコンテンツ『Yamaha HiFi History』にも掲載がある。そのうえ当時のカタログのPDFファイルも閲覧できる。ありがたい。
いわく、いわゆる「598戦争」の終局面で、原点回帰として設計されたスピーカーであるようだ。3ウェイシステムのウーファー肥大化と高重量化で各オーディオメーカーが競うなか、そこからひっそり抜け出すかのように登場した2ウェイシステムが本機NS-1 classicsである。12年間市場に出回るロングセラーだったり、1990年代には上位機種の「NS-7」の開発、のちに見ていく「マイカ混成PPコーン」はリファインされながら現行機まで受け継がれるなど、ヤマハ製スピーカーのエポックメイキング的な位置づけに見える製品である。

"名機"らしい
はたしてどんな音なのか。久々に鳴らすのが楽しみだなと思えるスピーカーだ。
 

外観

不良部位

さて、動作品と謳われているものの、外観上はいくつか不具合が見受けられる。
目につくひとつは、片方の前面ネットのフレームが2か所折れていて、接着剤で補修した跡。

瞬間接着剤かな
取り外すさいにちょうど撓む部分が細くなっているので、まあ、折れやすそうだなとは思う。
いまひとつは、ウーファーのグレーのエッジが、片方がほぼ全周にわたってカチカチになっている。

これは、中古ショップ的には不具合と認識されないのだろうか
表面がパリパリの半固形の状態でヒビ割れており、おそらくゴム製だろうけど、質感としてはプラスチックっぽい。

押しこむとクラックが広がっていく
まあ一応、音が出るのは確認できる。
 

ボリュームコントローラー

背面のボリュームコントローラーは、ツイーターのレベル調整用。ツマミが12時の位置、"HIGH"とあるあたりが標準のポジションだろうか。右に回して6時が最大。左に回して8時が最小。

最大

最小
なお8時の位置は、ツイーター出力がOFFになるようだ。
 

ネクターユニット

その下には、埋込ボックス型のコネクターユニット。上下逆さまに取り付けてある。

プラスが左にくるのが気になるといえば気になる
 

白錆

ツイーターは、縁に細いフェルトのリングが付いた、シンプルな円形のプレート。グレーの部分は樹脂製かと思っていたけど、よく見るとこれは金属製で、曇るように薄く白錆が浮いているものであった。

これはこれで、という感じもする
もしやと思いながらウーファーに戻ると、こちらもフランジ部が金属製のようだ。

樹脂製かと思ったら、金属製でした
このスピーカー自体がけっこう質量のあるものなので、なかなか良さそうなドライバーユニットが使われていそう。
 

エンクロージャ

外観は、突板にクリアウレタン仕上げの、まさしく「木の箱」。

"classics"とは、やっぱりNS-690を意識しているのだろうか
叩いてみた感じ、MDFではなくパーティクルボードだろう。

側面と背面
この突板は、Yamaha HiFi Historyによれば、先輩にあたる「NS-1000MM」や「NS-10M」などと同じ、樺らしい。

天面と底面
黒い塗装をせずにツヤの出るウレタン仕上げにして、木の模様を生かした素朴な風合いに見せている。突板は組み上げたボードにあとから張ったのではなく、樺の化粧板を切り出してキャビネットの形状に仕立てたものと推測する。

杢目は左右対称にはなっていない
 

試聴を控える

ウーファーが先述のような状態のため、今回はそのままではまともな音で聴けないだろうということで、試聴は手控える。背面のボリュームコントローラーを弄ってもノイズが出ないことを確認して、分解に入る。
 

内部

前面バッフルにあるドライバーのフランジ部は、少なくともウーファーにはネジ頭が隠れているようには見えない。背面のパネルが開くので、ドライバーユニットはおそらく筐体内部での固定なのだろう。
 

背面開放

12本のネジを外すと、パネルは簡単に外れる。内部は、吸音材としてエステルウールのシートが丸まった状態で詰められている。

けっこう無造作
取り外したパネルの裏にディバイディングネットワークが固定されている。内部配線のケーブルはある程度余長があり、接続に用いられている平形端子の引き抜きも容易。

工場組み立て時もこんな感じだったのかな

作業はしやすい
 

ネジ

ドライバーユニットの固定に使われているネジは、すべてミリネジ。

まずはツイーターから
片方のウーファーの4本にのみ、ネジ頭に接着剤が塗られている。理由は不明。

なぜ片方だけ?
ウーファーユニットは前面側に、ツイーターユニットは筐体内部側に取り外す。

筐体内俯瞰
ツイーターのネジの固定に鬼目ナットが使われている。六角穴のねじこみ式のナットは、スピーカーでの採用は意外とめずらしいように思う。
 

紙?

エンクロージャーの内側には、天面、底面、左右の側板の4面に、樹脂を含侵させた厚紙のようなものが括りつけられている。

この正体がなんなのか、いまだにわからない
この不思議な質感の黒い紙は、別のメーカーのスピーカーでも採用されているのを見かけたことがある。それと同じものであれば、これが共振を低減させる効用があるらしい。
 

バッフル

板材の内部まで突板が張られているのを見るかぎり、やはり化粧パーティクルボードのようだ。
前面バッフルには、ドライバーユニットを収めるためのザグリ加工が最小限に留められている。 

ツイーターなんて円い穿孔のみだし
ネジ用の孔がユニットの開口部ギリギリに開けられていて、なかなか攻めたことをしている。

むしろよく開けられたな、と
エンクロージャーの形状や仕上げも含めて、手の込んだことをなるべく控えてコストを抑えているように見える。

こういう色味なのかと思ったら、これもくすんでいるのだった
 

ポテンショメータ

バックパネルのツイーター用ボリュームコントローラーであるポテンショメーターは、ノーブル製。

ACRW350
ヤマハ製のスピーカーに搭載される可変抵抗器は、このブランドのものがよく使われているイメージがある。
 

ディバイディングネットワーク

ディバイディングネットワークは、2次フィルターでクロスさせるシンプルなもの。

ディバイディングネットワーク

回路図
HPFはMPコンデンサーとコアコイルの、これまたヤマハ定番のチョイス。MPコンデンサーはケースの印字面が接着されていてよくわからないけど、測定値から憶測で3.9μFか4.2μF。
ネクターユニットの裏を跨ぐように繊維板で架台が組まれて、ネジ留めされている。
繊維板の面積の半分以上を覆うように貼られている黒いボール紙は、意図がよくわからない。

パーツの配置を揃えるためのガイドかな

ネクターユニットを取り外した図
ケーブルは、すべて「FUEG HiFi - CABLE OFC」の印字がある。

径も太め
このケーブル、別のスピーカーでも見かけたことがあるけど、メーカーがどこなのか知らない。印字を見るかぎり、汎用的なものではなくオーディオ向けの資材であることは間違いないように思う。  
 

ウーファー

ドライバーを見る。
ウーファーは、金属鋳造製フレームにアルニコマグネットの磁気回路を備えるもの。

ウーファー。JA1610
原材料高騰で高価になり、今どきは高級機やいわゆるアニバーサリーモデルのような限定品でしか採用されない内磁型アルニコだけど、この時代はまだ入手が容易だったのだろうか。たしかもう少しすると、主原料のコバルトの価格が下がってきて、ドライバーにアルニコマグネットを採用する製品が一時だけ増えたという話を雑誌で読んだことがあるけど……。
なんにしても、現代でこの仕様のドライバーユニットを製造するのは、国外のブランドであっても尻込みするのではないか。

これがバブルの力か……
現行機のスピーカーに採用されている「A-PMD(Advanced Polymer injected Mica Diaphragm)ユニット」は、本機のマイカ入りのポリプロピレン製コーンがプロトタイプとなる。

振動板拡大
現行のものと似ている、すりガラスのような乳白色のシートは、透明度が低いのかダンパーのオレンジ色をあまり透過しないのが、個人的には良き。

たしか、製造方法が現行と異なるんだっけか
 

ツイーター

ツイーターも同じく、アルニコマグネット採用。

ツイーター。JA0586
その体積に反して質量があり、手に持つとズッシリ重い。おそらく経年で変色しているであろう、振動板が綿製のソフトドームむき出しという素朴なものでありながら、その背後に隠れているいかにも強力そうな磁気回路のアンバランスな姿がユニーク。

振動板拡大
前面側のフェルトの下にネジがあるのかもしれないけど、用事はないので今回は未確認とする。

どうやって分解するんだろう
 

整備

方針

ウーファーのエッジの張替えをする。
コンデンサーは、LPFの電解コンデンサーは静電容量が大幅に狂っているので交換する。ただ、HPFのMPコンデンサーは問題なさそうなので、ひとまずそのままとする。インナーケーブルも引き替えず、そのまま再利用。
前面ネットはフレームを補修してネットだけ張り替えることも考えたけど、またそのうち別の部分が折れそうだし、手間だけどフレームから作り直すことにする。
 

前面ネットのリメイク

前面ネットは、オリジナルと同等のサイズのものを、一枚のMDFを切り出して作ってみる。適当に寸法を測って、渋谷のハンズの木工房で板材の購入と大まかな加工を依頼。
 
今回は、アリエクで使えそうな工具を見つけたので、それを使ってみる。ハンドプレーナー、かんな、替え刃式のトリマーとか呼ばれるものである。

買ってみた
使用は原則直線部に限るものの、電動のトリマーを使わずともエッジ部のR加工ができるという代物。

刃先の出る長さを調節できる
そんなにうまくいくものかね、と疑いつつ、電動トリマーよりもだいぶ安いので個人輸入してみた。
とりあえず適当なMDFの切れ端で試す。1mmくらい削る程度ならば机の上でもそこそこの仕上がりだけど、それ以上になってくると、万力を使ってワークをガッチリ固定して、勢いをつけてひと思いに削りきらないと、切削面がガタガタに荒れてしまううえに綺麗な弧を描かない。

平刃で1mmほどの図

平刃で2mmほど削った図

丸刃で3mmほど。うーん、こんなもんなのか?
また、ハンドプレーナーの刃を出しすぎるとワーク側の本来不要な面に傷をつけるし、そうでなくてもハンドプレーナー本体を滑らせた部分には擦った跡が残る。

自分のやりかたがおかしいのだろうか

丸刃を出しすぎの状態で削るとこうなる
多少の傷はネットを張れば隠れるので問題とならないけど、傷を付けたくないならば素直に電動トリマーを使うほうがよさそう。
 
練習したのち、本番へ。ひとつの辺のエッジに対して、目標となる形状まで4回から5回くらいに分けて少しずつ削る。

けっこう切りくずが出るんだな
バッフルにあるダボはそのまま再利用。既存のフレームにあるゴム製のブッシュは、取り外して新しいフレームに移植する。

フレームを黒で塗装後、2液性エポキシ接着剤で固定
接着剤の硬化のためにひと晩放置したのち、ネットを張る。今回はスピーカー用のジャージネットをチョイス。
新しいものもオリジナルと似たような色味にしようと思い、アマゾンで「ダークベージュ」のそれっぽい色味のものを選んでみたけど、届いた実物は色味がだいぶ淡い。まあ、これでもいいか。
ネットの固定は、いつものように布用両面テープと接着剤の併用を基本とする。

角部の処理に毎回悩む
角部の包みこみは、どうすれば綺麗に収まるのかいまだによくわからないけれど、今回はそこそこうまくできた。化繊の生地で、ある程度伸縮性のあるものをネットとして採用すると、作業しやすい気がする。
今回は面積に余裕があるので、エポキシ接着剤で固定する一部分をファブリックテープで代用することで省力化を図る。

ここもエポキシ接着剤なので、またひと晩放置
 

ウーファーエッジの張替え

エッジを張り替えるといっても、そもそもオリジナルのようなグレーカラーのエッジがリペア用のパーツとして販売されているのだろうか……と思いアリエクを覗くと、別のスピーカー用だけど本機にもそのまま流用できそうなものがあった。意外とあるもんだな。

アリエク、なんでもあるな
既存のエッジの除去は、どんな具合か。

フランジ側は、まあ問題ないだろう
矢紙も台紙も無く、フレームと振動板に直に接着されているかたち。ゆっくり剥がせば、溶剤をほとんど使わず済む。

振動板側も、なんとかイケそうだ
エッジの除去は、コーンが樹脂製だと紙製に比べてはるかに楽。

溶剤未使用でここまで剥がせる
今回仕入れた新しいエッジは、オリジナルよりもわずかに小さく、最外周は直径が約2mmほど短い。つまり、エッジの最外周に約1mmの空隙が生じることになる。

このくらいの微妙な隙間ができる
張り替えたあとにウーファーを正面から見たとき、この空隙が綺麗にリング状になっているようにしたい。
またエッジのロールの内円もコーンの直径より小さい。そのため、振動板側の接着はコーンの放射側に行う。

今更気づいたのだけど、コーンに小さなドットのエンボスがある
振動板側を接着してからフレームのフランジ側を接着する順序だと、自分の技量では接着はできても先述したリング状の空隙が生まれない可能性が高い。よって、ここはフランジ側と同時に接着することとする。
使用する接着剤は、振動板側はB7000で普段と変わりなく、フランジ側はセメダインの「スーパーX」とする。

シールはがしは、既存のエッジ除去用に買ってみたもの
溶剤を使っている接着剤を塗るとエッジを変質させる可能性があり、ヘタすると接着どころではなくなるので避けたい。また、スーパーXであれば、エッジをウーファーに乗せたあと、接着剤が硬化するまでの時間の猶予のなかで、エッジの位置の微調整が効くと踏んだためだ。

スーパーXはフランジとエッジの両方に塗る
エッジをフランジに慎重に乗せ、約1mmの空隙が維持されているのを目視で確認しつつ、振動板側のB7000の接着を先に済ませる。そのあと、フランジ側のスーパーXのある外周を接着。

やってみると、わりとあっさり
エッジの最外周からはみ出た接着剤は、少量かつスーパーXであればあとから掻き出すのは容易なので、接着作業中はあまり気にしない。接着剤を盛る量を一定にすることと、塗り残しが無いようにすることに気を配る。

とはいえ、除去は完全に硬化する前のほうがやりやすい
やたら空隙の維持に気を遣っているけれど、それが煩わしかったり、はみ出た接着剤が汚らしいようなら、適当な紙をリング状に切り出してフランジ部に被せて誤魔化してしまう手もある。

テープは接着不良の位置を示す

このくらいなら違和感ない
 

ディバイディングネットワーク周り

ネクターユニットは分解して、バインディングポストを洗浄後に再度組み上げる。そのさい、ポストの固定部となるシャフトの貫通孔周辺がやや脆そうなので、ナットによる加圧を分散する目的で補強材を設ける。

孔の際からほんのわずかにクラックが入っている

このナットはミリネジ「ではない」ので要注意
手元にあった4mm厚のMDFを適当なサイズに切り出して、バインディングポストを固定するさいに一緒に挟みこんで固定する。

ガイドの突起部を削り落としておく

はたしてこれがどこまで意味があるのかはわからない
信号回路に関しては、LPF2次の電解コンデンサーのみ交換して、それ以外はそのまま再利用とする。新しいものを同じ位置に挿げ替えるのみ。

先にコネクターユニットのタブのはんだ付けを行っておく

新しいコンデンサーはニチコン「DB」8.2μF

要らないような気もするけど、一応ラバーフォームを貼っておく
 

組み上げ直後

組み上げて音を出してみる。アンプはヤマハのAVレシーバー「RX-S602」。インシュレーターはオーディオテクニカの「AT6099」三点支持。花こう岩プレートの上に鎮座。ツイーターのボリュームコントローラーを3時の位置にして試聴。
意外と低音が下まで伸びるな、というのが第一印象。この機種と比較したくて、ここ数日はNS-10Mをメインスピーカーに据えて鳴らしていたのだけど、同じ密閉型でも容積がこちらのほうが大きいからか、低音の量感とレンジ感は段違いで、質感も良い。こんな深い音を出せるんだ、という印象。レンジ感だけでいえば、ビクターの「SX-300」よりも広い。
もちろんバスレフ型やそれに類するものと比べれば不足感はあるのだけど、密閉型ならではの下の帯域へ自然と伸びて減衰していく音を堪能できる点で、比べるものでもないだろう。
 
中音は柔らかく自然。アルニコ特有の音の分離感と張り感。とりわけ女性ボーカルの自然な定位感が好い。事前にネットワーク回路を見ているので、その先入観からクロスオーバー付近で音がやや引っこむのではないかという懸念もあったけれど、杞憂であった。
 
高音も柔和で丸い。ソフトドームの材質からくる丸さもあるけど、全体のバランスや刺激の面でも良い意味で目立つところが無い。ボリュームコントローラーを最大である6時の位置にしたとしても、それほど過大であるとは感じない。
 
どこまでもナチュラル。いつまでも聴いていられる。期待していたとおり。
 
周波数特性を見てみる。ツイーター軸上50cmの収音。5回収音の平均値。スムージング処理は平均化後に実施。ボリュームコントローラーの位置を3パターン収音。

周波数特性。1/6スムージング処理
こうしてみると、高音は聴感よりは出ているようだ。
 

ツイーターのノイズ

ただ、妙な症状もある。ある程度の音量を突っこむと、無音の状態でツイーターからプツプツと音がしていることに気づく。その状態でしばらく鳴らしていると消えるけれど、いったんアンプから切り離して再度接続すると再発する。これが、左右の2台とも起こる。
幾度か収音するなかで、ツイーターから音がまったく出てこない場合もある。それも、しばらくするとノイズ交じりで徐々に復活してくる。
 
ドライバーユニットの故障でなければ、これ、今回スルーしていたMPコンデンサーの劣化の影響じゃないの? と疑い、適当なコンデンサーでフィルターを作って繋いでみると、上述のようなノイズは綺麗サッパリ消え失せるのだった。たとえ静電容量が正常の値であったとしても、安価なテスターを当てるのみで音への影響が無いとは判断できないということだ。製造から30年以上経過しているであろう古いコンデンサーは、否が応でも交換するべきなのだろう。
 

再調整

こうなれば、当初交換するつもりで購入しておいたフィルムコンデンサーに挿げ替えるだけである。ParcAudioのメタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサー。

日本のメーカー製にしたかった
既存のMPコンデンサーを切り離す。

「3」がかろうじて見えるから、3.9μFっぽいな
同じ位置に新しいコンデンサーを配備して、はんだ付けするのみ。

ユニットの故障でなくてよかった

コンデンサー交換後の周波数特性比較
 

完成図

完成図
 

まとめ

MPコンデンサーは入手が難しいのでなるべく弄らずそのままにしておきたいな、と常々思っていたのだけど、そういうわけにもいかないのかもしれない。でもまあ、それならそれで、MPコンデンサーっぽい音を現行のパーツで探っていく方向に舵を取るだけである。

逡巡しなくなる
それはそれとして、良いスピーカーに出会った。ビクターの「SX-300」も、同じ密閉型2ウェイシステムで体積も似通っていて、アルニコマグネットのドライバーを積んだもので気に入っていたのだけど、それ以上かもしれない。ちょっとこれは手放すのは惜しいな。

もう、これでいいんじゃないか?
というか、国産のスピーカーにおいてこのスペックでペア12万から13万円という価格設定は、現代ではまず実現しないよな。倍の価格でも怪しいところだ……。
 
終。