既製品の安いスピーカーセレクターを、ちょっと改修してグレードアップしてみた所管。

安かったから……
スピーカーの鳴動試験のとき、普段鳴らしているアンプとスピーカーを繋ぐケーブルのスピーカー側をいったん外し、対象物に接続して、試験が終わったら元に戻す、ということを延々とやってきた。まあ、面倒くさい。いい加減スピーカーセレクターが欲しいと思うようになり、なんかいいのないの? とアリエクを探していたら、ちょうどセールの対象商品としてやたら安いセレクターがあったので、ここぞとばかり買ってみた。

送料込みで五千円強。入力と出力が2回路ずつあり、各々トグルスイッチで切り替えられるタイプ。
セレクターというか、「スプリッター」だ


こんな見るからに単純な機構の代物でも、そのへんで売られているものなら安くても一万円はするのがオーディオの世界。ケチ臭い自分は、ややもすれば「信号をパタンと切り替えるだけで一万円?」と尻込みしていた。そのうち数年が経っていた。
でもまあ、五千円だし、セッティングの物理的な切り替えをしているさいに誤ってスピーカーを落っことしたりするリスクが最小になることを踏まえれば、あってもいいかもな、となった。


安物買いの……
で、買ってから気づいたのだけど、このセレクター、トグルスイッチによる回路の選択はいわゆるホット(赤色の端子)側のみとなっていて、コールド(黒色の端子)側はスルーとなっており切り替わらない。


安物なのでこれはこれでアリ。しかし、スイッチで音が出ないとされているほうのスピーカーにも電気信号が常に届いている状態は、個人的には気持ち悪い。スイッチがOFFとなっていたら、完全に回路から分離していてほしい。
よって、スイッチの交換とケーブルの引換えで、それを実現してしまえと相成った。
改修
新トグルスイッチ
バインディングポストの総数は変わらなくても、トグルスイッチに繋がるケーブルの本数が倍になる。それをひとつのハンドルでいっぺんに切り替えるには、4極双投のスイッチが必要になる。


ミヤマの「MS-500P-B」を入手。定番品らしい。

というか、4極双投かつ日本のメーカー製という括りにおいては、入手性と価格で現状これ以外に選択肢がほぼ無いイメージ。もっとも、拘らなければ国外製のものが安く手に入るけれど。

前面パネルの改修
MS-500P-Bは物理的な大きさがオリジナルとほぼ同じだから問題ないだろうと思っていたら、前面の既存の孔が大きすぎてそのまま取り付けられない。
手持ちのM6のワッシャーの外径が孔にぴったり収まることが判明。そこで、そのワッシャーを二枚重ねで嵌めて、エポキシ系接着剤で固定することで無理やり径を小さくする。


配線
新たに引き直すケーブルは、JVC製のOFCスピーカーコード。これを選んだのは柔らかく引き回しが楽なこともあるけど、トグルスイッチの端子に太いケーブルをはんだ付けするのが至難だからという理由が大きい。

トグルスイッチをパネルに固定するさいにM6のワイドワッシャーを挟む。


背面パネルの改修
背面のパネルは、バインディングポストのシャフトをとおす孔の並びが微妙に一直線になっておらず、これまた気持ち悪い。

位置ズレがあまりにも酷いものだけ孔をドリルで拡張して、"遊び"を作ることでポストの固定位置を調整できるようにする。
7mmのドリルビット



背面側にもケーブルを繋ぐ。オリジナルはバインディングポスト側もはんだで接続しているけど、新ケーブルはM4の丸形端子にする。

共振低減の措置
金属の筐体の箱鳴り低減を狙って、ゴムのフォームシートを貼ってみる。

ただ、フォームだと質量が軽すぎたのか、ほとんど効果がないようだ。

そこで、前後のパネルとの接合部に液体ゴムを敷いて誤魔化しておく。
ひとまず元の姿に戻った


シールの貼付
のっぺらぼうなのもわかりづらいだけなので、目印のシールを貼って動作がなんとなくわかるようにしておく。


完了





まとめ
手間を考えれば、改造なんてせずに初めからそれなりの価格のものを買っておくほうがいい。それに、ここまでするんだったら、パーツを買い揃えて一から組み上げるほうが安上がりだったりもする。元も子もない話である。

それはさておき、作業しているうちに、ここはこうしたほうが自分の環境では扱いやすいよな、みたいな気づきもあった。しばらく運用してみて使いづらければ、新たにオリジナルのセレクターを作ることをするかもしれない。
終。



