いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

スペースコブラ:The Awakening 所感

スピーカー整備が行き詰まり、気分転換になにかゲームでも、と思いSNSで新作として紹介されていたこの作品を購入。
難易度「海賊ギルド」(おそらく「ノーマル」とか「デフォルト」みたいな)でざっとクリア。

 
 

コブラを操作しなくても……

3D描写の2D風横スクロールアクションで、コブラを操作する。

原作の漫画『COBRA』はずいぶん前にだいたい読んでいるし、アニメもなにかのきっかけで『スペースコブラ』シリーズだけ観ているはず。いずれにしろ相当昔の話だから、内容なんてほとんど覚えていない。
そんな自分がゲームを遊んだ大まかな感想は、
「アニメを観るほうがいいな」
であった。

原作の漫画ではなく、テレビアニメのほうをベースにしているらしい。ゲーム中に挿入されるムービーは、おそらくテレビアニメのものを再編集しているものと思われる。画の良さ、見せかたの巧さが際立っていて、"和製アメコミ"なんて評されるのも納得の爽快感のある展開は、観ていて飽きない。

いっぽうで、台詞は違和感が多い。現代の表現規制の風潮からだろう、オリジナルの台詞回しはほとんどが改変されているうえ、カットされているストーリーもある。代わりに状況説明として補完するような言い回しが増えて、くどい印象を受ける。

それもあって、作中でコブラが「悪党」とか「罪を償え」などの単語をポンポン口にするのも、自分のイメージと異なる。欲に忠実でありながらも、なにに対してもニヒルに接する器用なアウトローが、コブラというキャラクターの魅力だと思っているのだけど。

日本語だけでなく多言語展開するのであれば、各キャラクターの会話にこのくらいの文章量が無いと、やり取りが意味不明でプレイヤーに通じないのだろうか。

声優陣が総入れ替えなのは仕方ない。日本語でしゃべってくれるだけでもありがたいことだ。クリスタル・ボーイ、アニメの声とメチャ似てるな……。

 

ゲーム性

残りのゲーム面といえば、オーソドックスなアクションゲームで、別段『COBRA』を題材にしなくてもいいし、動きはチープだし、バグだらけ。

 

サイコガン

いちばん気になったのは、コブラの十八番、サイコガンが効かない敵が多すぎることだ。
サイコガン(光線銃)、パイソン(実弾銃)、近接格闘、葉巻型手榴弾と、コブラの攻撃方法はいくつかあるなか、それぞれ有効打を持つ敵が登場する。そのうちの遠距離攻撃を弾くバリアみたいなものを常時張っているザコ敵が、序盤の道中から結構な頻度で出現する。サイコガンのダメージが入りにくいのではなく、「まったく効かない」のである。

あのコブラと対峙するならこのくらいの装備があってしかるべき、と考えることもできる。さりとてこちらは唯一無二の銃サイコガンで敵をバンバン打ち抜くコブラをゲーム上で見たいのに、頻繁に接近して直接攻撃か、最大3本しか所持できない消耗品の葉巻型手榴弾を投げつけるよりほかなくなるというのは、非常に残念でならない。接近攻撃も単調で、打撃が弱点なのかというとそういうわけでもなく、なにか特殊な演出やモーションがあるわけでもない。
自身が強化されて攻撃方法も多彩になるゲーム終盤に登場するのならまだ理解もできる。が、序盤のステージから普通に出てきて、なおかつ向こうは遠距離攻撃をガンガン仕掛けてくるのは、納得がいかない。そんなコブラの天敵みたいなモブキャラ、アニメでもいなかっただろう? と。
「サイコガン無効」は、やるのならここいちばんの勝負手にしてほしかった。複数回打ちつけるとバリアを破壊できるなど、せめて撃ち抜く手段が用意されていてほしい。

 

硬い敵

関連して、敵が硬すぎることも挙げられる。あるいは、サイコガンが弱すぎる。
サイコガンは、同じ横スクロールアクションの『ロックマン』シリーズのチャージショット同等の操作感で、いわゆる"タメ撃ち"ができる。ただ、チャージショット一発で倒れる敵が、非常に少ない。人間はおろか、よくわからない小さな宇宙動物(?)のようなものまでタフで、タメ撃ちを当てても立っており、倒すには追加で通常攻撃をチョンチョンと当てる仕草を要求される。爽快感のへったくれもない。
一発で倒したいならガイドショットを使え、となる。ガイドショットとは、サイコガンの弾道をあらかじめプレイヤーが操作して、"曲がる光線"により複数体を同時に撃破するという攻撃方法である。

これは通常攻撃としてサイコガンを撃つよりも威力が高く、たいていのザコ敵は一撃で倒せるけど、使用のたびにいちいち一時停止が挟まるのでテンポが落ちるうえ、これも有限だ。
コブラに多彩な動きをしてもらいたい意図があっての調整なんだろうけど、過度な制限で旨味が消えてしまっている。

ただ、ゲージ消費技の全体攻撃は好い。いちばんサイコガンっぽい。ビーム複数本同時発射なんてできたっけ? というのは措いておいて。

 

地球人コブラ

そして、コブラ自身が弱い。敵の弾3発食らってKOはないでしょう。不死身のコブラ、どこいった……。

 

グラフィック

良くも悪くも古い

グラフィックはビビットで、パリッとした描写。スペースコブラの世界からエッセンスを掬い取ってうまいこと3Dに落としこんでいるように思う。

昨今流行のトゥーンシェイドは使われているようだけど、手書き風のテクスチャーの風味がやや控えめで、アナログ感は薄い。

動作面では、コブラの動きも含めて3Dポリゴン独特の「モッサリ感」が随所にある。なんとなくPSPのゲームを彷彿させる、ちょっと古臭い印象を受ける。

 

単調な敵キャラ

敵の種類も少なめ。これは原作を下敷きにすればある程度は致しかたないことなのだけど、攻撃手段だけでもバリエーションを増やすなどしてほしかった。

これらの要素によって、決して悪くないのだけれど安っぽく見えてしまう。
 

バグ多し

そして、不具合が多い。進行不能になる致命的なバグを3回、ボスキャラクターの登場が大きく遅延する現象を2回引く。コブラが空中に浮いたりカメラの視点移動が不安定になる現象には幾度も。水中で特定の方向の移動速度が極端に低下することもあった。アドベンチャーパートの日本語も盛大に間違えていたり、バイケンの左眼がいきなり撃ち抜かれていたりする。

まあ、三姉妹の設定については、自分もよくわかっていないのだけど。
 

まとめ

不満点が目立ちすぎて残念。というか全体的に作りこみが甘い。不具合に関しては今後解消される可能性はあるけど、ゲーム性はどこまで改善されるか。アニメの映像を使うのもいいけれど、もっと3Dキャラのほうに重点を置いた演出をするとカッコいいのにな、と思う。

それはそれとして、『COBRA』を履修するならやはり原作にあたるべきだろうし、アクションゲームをするなら、ほかに面白いものがたくさんある。
 
終。