いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

「Ori」シリーズ2作 所感

年始の引き籠り期間中、「Ori」シリーズ2作を立て続けにプレイした。
いずれも難易度「ノーマル」で、全マップ踏破、全スキル取得、全アイテム回収までこなした。

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Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)

美麗メトロイドヴァニアの名作ということで、認識はしていたもののなんとなく手を出さないでいた。
ただ、年末に「ENDER LILIES」をプレイして、メトロイドヴァニア熱が上がってきていた。新規コンテンツ追加版の「Ori and the Blind Forest: Definitive Edition」がSteamでセールだったため、触れてみることに。

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マップは衰退した森のほか、ほぼ洞窟で占められ、主人公「オリ」が小さいこともあり、終始何かで陰った暗がりを進むことになる。住処である森の再生が目標であり、ストーリーが進むにつれて徐々にかつての美しい自然の姿が蘇っていく。
たしかに、アクションゲームでは描写の美しさが頭一つ抜けている印象。6年前に発売した作品だけど、古さを感じない。
 
オリの動きは小動物のそれで、操作もスピード感のあるものとなっている。ENDER LILIESをプレイした後だとなおさらそう感じる。
出来ることが増えコントローラーのボタン割り当てが増えるにつれ、ボタンの押し間違いも増える。道中のアクションはじっくり挑めるけど、このゲームの醍醐味でもあるチェイスでは早急な対応を求められるため、とにかく操作に慣れる必要がある。
 
いわゆる「死にゲー」の類であり、それを意識してかテンポよく進むようになっているのでストレスは無い。
ただし、セーブ方法がよろしくない。任意の場所でセーブできるものの、セーブポイントの作成に道中で獲得できるエネルギーを消費する仕組み。これが、特定の扉を開ける際や特殊なアクションをするたびに消費するものと共通なのだ。
苦労してやっと超えた難所の後にエネルギーが無くてセーブができない、という現象が発生する可能性がある。このシステムは、何度もやり直す前提のアクションゲームには合わない。

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とはいえ、ゲームのボリュームはそこまで大きくない。実績に「ノーダメージクリア」があるところからも、人によってはサラリとクリアできてしまうのかもしれない。自分には無理だけど。
 

Ori and the Will of the Wisps (オリとウィスプの意志)

「くらやみの森」が楽しめたので、即座にその続編を購入。
前作の雰囲気はそのままに、キャラクターが3D描写になっている。
 
くらやみの森でのオリは、終始案内役に導かれる感覚があったけれど、今作では舞台が変わり、冒険活劇の色が強い展開となっている。

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前作と比べると、アクション性が上がっている。オリの攻撃手段が増え、その分敵の妨害行動も熾烈になっている。
ステージギミックもやや複雑。オリの移動がさらに縦横無尽となったため、マップ上で進むべき方角を見定める観察眼が問われる。
パズル要素はあまりないけど、どのアクションでどうやって踏破するか頭を使う場面が格段に増えている。
 
今作では、主人公以外の登場キャラクターが大幅に増えており、話しかけることができる。
マップの中心には「村」的なものが存在し、大半がそこに集う。拠点的な役割を担っており、そこで能力向上やサブイベントなどが発生する仕組みだ。
そこではオリ自身が何かを発言するわけではなく、NPCの話を聴くだけのスタンスが基本。とはいえ、常に単独行動を強いられている主人公と立ち向かうべく強大な敵以外にもちゃんと生命が存在していることを示すのには、この程度のほうが諸々雰囲気を崩さないのかもしれない。
このあたりの印象は、昔プレイした「聖剣伝説 レジェンドオブマナ」っぽいかも。
また、本作のステージには、陽の光の差し込む明るいエリアがいくつかある。前作が薄暗い場所ばかりだったから、青空が見えるのは結構新鮮だったりする。

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前作の難点だったセーブのアクションはオートセーブ形式になり、ストレスなくよりスピーディーに探索が進行するようになった。
ただ、終盤のステージは、「これで難易度ノーマルか……」と嘆くほどの煩雑さを伴う。コントローラー捌きに自信が無ければ、イージーから始めてもいいかもしれない。
 

まとめ

わかりやすいストーリーに、生音による壮大なBGM、ビビットながらも水彩画のような柔らかいタッチのグラフィック。何度もやり直す羽目になる高度なアクション性を要求されるのにそれがストレスにならないのは、これらのおかげかもしれない。
 
名シリーズと称されるだけに、両作品とも高水準にまとめられたゲームだなという印象。