いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

歌詞 -52

フロントライトのつづれ織り
すかした仕草 形だけのフォークロア
眠れない夜があっても 眠らなきゃならない
そこにどんな意味があるのか
 
濡れ手で粟の 心理戦
 
虚言が世界であると確信したとき
あなた方の目に光が宿る
 
逆さまの雨傘で 電波の雨を掬い上げ
目と指先で 自分好みに調理する
 
アナクロニズムの街を抜け
底の浅い欲望 キャパを超えたら断捨離
片腕で逆立ちして そのまま倒れてうずくまる
それにどんな意図があるのか
 
恥の上塗り 唐変木
 
嘘が嘘であると確定するとき
物語の真相が息を吹き返す
 
希望からひねり出された排泄物は
星となり遥か彼方の地平を穿つ
 
狂乱する 乱立する
息が続かない 値もつかない
すべては雲の上か
あるいは靴底の迷路のどこか
 
金の雫が滴り落ち 乾く間もなく
新たな命がATMから引き出される
 
世界が嘘であると確定したとき
くべられるはずの薪たちに脚が生え
屋根裏部屋に逃げられる
 
「森に還りたくない」と
籾殻ひとつまみ程度には重い私の口が
呟き出す