いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

STATIONflow 所感

「STATIONflow」というゲームをプレイした。その所感。
YouTubeでたまたまプレイ動画を見つけて、面白そうだったのでSteamで衝動買い。セールでもないのに。
 
終わりが見えなかったので、とりあえず駅ランク50越え、収支がだいたいトントンになったところまで進めた。
 
駅構内の移動する人間を上手いこと誘導する、交通整理シミュレーションゲームである。
 
改札を出入りする人や乗り換える人を、改札内部に通路と施設を程度よく設けて誘導し、客効率を上げていく。
日々利益を上げていくと、駅のランクが上がる。すると、利用できる路線と改札が増える。これを繰り返し、駅を徐々に拡張していく。

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構内が広がるにつれ利用客も増え、さまざまな人種が行き交うようになる。彼らの駅に対する要望に応えていくと、駅の評判が上がる。それに準じたボーナスが日々の収入に付される仕組み。
赤字が続き、資産が尽きるとゲームオーバー。
 
キモは、目的地案内情報の掲示。つまり「標識(サイン)」の適切な設置である。
駅の構造物として、通路上に行先を掲げた標識を通路上に配置できる。行き交う人々は、これを都度確認しながら各々の目的地に向かおうとする。
矢印の方向には何があるのか、正しい表示で、適切な位置に配備することが効率化の基本となる。

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初めのうちはシンプルな掲示で問題ない。しかし、新たに路線が開通すると、当然ながら利用客にそこまでの道筋を示さなければならなくなる。
また、エレベーター、券売機、トイレなどの施設を設置したら、その案内も必要になってくる。
中盤からは、ひたすら標識の掲示の仕方を深慮することになる。
 
客からの不満で多いのが、「目的地到達まで時間がかかる」というもの。
乗り換えまで最短距離で通路を施設して標識を設けても、そこを通りながらもイライラしている客を結構見かける。
これが、けっこうリアルなんじゃないか、と思った。現実世界のターミナル駅でも、利用客全体のうちだいたいこのくらいの割合でイラついていそうだよな、と感じさせる。
路線どうしの距離が結構離れているのだから、そこを徒歩で乗り換えようとするならば遠いのは当たり前だろう、と思わなくもない。それを言ったらゲームにならないのだけど。
 
そして、それらすべてに完璧な応対を目指していくと、いつのまにか通路が標識だらけになって煩雑になっている。

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これもなんだか日本の道路標識っぽい。必要なものを付け加えていくと、ゴチャゴチャした、横切る一瞬で意味まで汲めるか怪しい、目がかすんでくるような色をしたアイコンだらけになるのだ。
利用者側からするともうちょっとなんとかならないの? という気がしてくるものも、管理側からすればそうせざるを得ないのかもしれない。公共交通機関の事情は、そういうものなのかもしれない。
もし自分がこの駅を利用することになったら、標識が多すぎて逆に迷うだろう。幸い、このゲーム内の人々は、大量の案内表示を一か所に集約させてもだいたいはちゃんと読み取ってくれるようなので、優秀である。
 
とはいいつつ、不思議な人物もいたりする。このゲームは、改札から入場しても鉄道を使わず、そのまま別の改札に抜けていく客もそこそこいるのである。

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駅ではない別の目的地に向かう際のショートカットとして、あえてこの駅の通路を利用するのだろうか。改札を抜けるので、ほかの客と同様に入退場時に利用料が徴収されている。
これを現実でする人はあまり居ないだろう。少々納得いかないけど、このゲームでは、その奇特な人たちもしっかり誘導しなければ駅の評判が下がってしまう。収入源だと思って諦めるしかないのだ。
 
跨線橋的なものが造れなかったり、各施設の敷地面積がすべて同じだったりと、所々不便な制限があるものの、設計の思惑通りに人が流れてくれると気持ちがいい。
通路の拡幅や変形に伴う標識の見直し、施設の利用状況の調査など、細かなところまで突き詰めていくとキリがなく、時間が溶けていく。

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やることはシンプルでも、奥深いゲームだ。
今度大きな駅を利用することがあったら、構内のサインを見るたびにこのゲームを思い出してしまうだろうな。
 
終。