いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

JBLのスピーカー Pebbles と 104-BT-Y3 を聴き比べる

パソコンの音声再生用に使用するスピーカーとして、JBLの「104-BT-Y3」を入手した。これまで使用してきた「Pebbles」と音色の比較をしてみた。
 

導入経緯

 
作業台兼撮影スペースに設置するパソコン接続用スピーカーとして、当初Pebblesを使用していた。
出音が好みであったこのスピーカーは、一度手放したものの、省スペースとUSBケーブル1本だけで稼働するシンプルさが、大して広くもない机の片隅に置くスピーカーとしてちょうど良いだろうと思い、買い直したのだった。
ただ、丸っこい独特のデザインが気に入らず、取り回しだけでなく意匠面でもシンプルなものにすることを目的に、同じJBLの「Quantum Duo」を導入してみたりもした。しかし、音質面が自分の耳に合わず、すぐに手放すこととなった。

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DAC内蔵USB接続のスピーカーは、安価なものとなると限られる。ここは収容性をある程度犠牲にして、より一般的なシステムにも視野を広げることにしたのだった。
 
104-BT-Y3は、Quantum Duoを探していた際に見つけていた。2万円クラスで同軸ドライバー、さらにモニタースピーカーを謳っていて気になってはいたけど、有線の入力がRCAと標準フォーンだったため候補から外していた。スピーカーのためだけに別途オーディオインターフェースを置きたくなかったのだ。
しかし、Amazonで探してみると、USB給電の小型レシーバーが売られているのを発見。「FX-AUDIO- FX-04J+」である。

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パソコンとUSBで接続するだけで稼働し、出力はRCAのみという潔さ。お値段もそこそこで、まさに104のためにあるようなDACだ。この大きさなら机に置かなくても、スピーカーやディスプレイの裏側あたりに適当に隠せそう。

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外付けのDACって専用機器然としているというか、アクセシビリティ優先でゴチャついているイメージでいたけど、今はこういう製品もあるのだな。大げさなシステムを組まないのであれば、これで十分な気がする。
 

104-BT-Y3について

 
それならば導入してみてもいいか、ということで104-BT-Y3を購入。 ほぼ新品の状態のものをフリマサイトにて送料込み14,000円くらいで入手できた。ひとつ前のモデルでBluetooth非搭載のものならばもう少し安く手に入るけど、なるべく新しいものが欲しかったのでこちらにした。
 
第一印象は、「意外とデカいな」。
愛用している「JBL Control 1」と比較すると、横幅はほぼ同一。高さは104のほうがちょっと高い。

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丸っこい筐体なので威圧感はそんなにないし、ニアフィールドモニターとしては良いサイズ感だと思うけど、パソコン用スピーカーにしては大きいほうじゃないだろうか。Pebblesと並べると一目瞭然。

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裏面にある電源ボタンを押して数秒後、結構な音量で起動音が鳴りビックリする。これ、OFFにする手立てがないらしい。なんとかならないのだろうか。

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104の特徴として、入力ソースに「ALL」がある。このスピーカーに入力された音声すべてをミックスして出力するというもの。

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モニター用途としての機能なのだろうけど、今のところ良い使い方が思いつかない。
 
Bluetoothのペアリングは、「Input Select」ボタンでBluetoothに選択した後、ボタン長押しで始まる。
その際に気が付いたのだけど、このスピーカー、マスタースピーカー(親機)は右に置くものらしい。エクステンションスピーカー(子機)は左。
インターネットにあるメーカーの製品紹介ページや化粧箱にある写真も、マスターが左になっているのでその通り設置していたら、テスト再生で左右逆に再生された。初めはDAC側を疑ったけど、DACを介さずBluetoothで直接鳴らしたところやっぱり逆。
説明書には正しい配置の記載があるけど、なんだかな。

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出音比較

 
実際の出音は動画のとおり。


www.youtube.com

PebblesはパソコンとUSB接続。104はFX-04J+からRCAで接続。
再生する各ソースごとに聴感で音圧が揃うよう調節。Windowsの音量ミキサーでは、Pebblesが「8」。104はマスタースピーカーの音量ツマミを10時方向で固定。
104のエクステンションスピーカーへの配線は、付属品の赤黒ケーブルを使用。
安いワークデスクの天板に直置き。これは音質的には不利なので、もう少し改善したいところ。
収録はZOOMのMSマイクで行った。左右のスピーカーとマイクが正三角形の頂点になるよう配置し、高さもできるだけ均一になるようにした。向かって左側が壁面に近いので、左の音声にはわずかに反響音が乗っている。
なお、音声には薄くノイズリダクションをかけている。
 

Pebbles

以前の記事参照。

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それにしても、Pebblesは聴くたびにハキハキしていい音だなと思う。拘りがなければこれ以上望むことはないんだろうな。
 

104-BT-Y3

モニタースピーカーを謳うだけあって、高音から低音まで均一に鳴ってくれる。定位も良く、左右のスピーカーの間から聴こえてくる。Pebblesよりも低音が明瞭に出るので、違和感が少ない。
特徴として、音場はそこまで広くなく、立体感もそんなに感じない。細部を綿密に鳴らし分けるタイプではない。どちらかといえば自然に気持ちよく聴かせる鳴らし方をする。バランスよく鳴らすけど、モニタースピーカーっぽい冷淡さは少ない。目の前に音の塊があるような印象。
「それはどうなの?」と思うところもあるけど、カッチリ硬い音に寄り過ぎないである程度まろやかに無理なく聴かせるので、上質なリスニングスピーカーとして使える。単に淡泊にならないところが個人的には好印象。反面、DTM用として使いたい場合はスピーカーの特性をよく掴んでいないと厳しいかもしれない。
また、リスニングポイントやスピーカー本体の配置が音にシビアに影響する。少なくとも今回のような机に直置きは避けたほうがよさそう。
 

その後

 
今ある設備での録音の限界なのか、動画における104の再生音はだいぶチープに聴こえる。Pebblesがキラキラしている出音なのもあって、対比する104は少しモゴモゴした音に聴こえてしまう。だけど、聴感上ではそんな印象は無くて、実売2万円にふさわしいしっかりした音を出していると思う。
とはいえ机に直置きはやっぱり気になったので、スピーカースタンド代わりにControl 1を置いてその上に104を配置してみたところ、中低域がスッキリして聴き取りやすくなった。よりモニターライクになったというべきか。やっぱり設置環境は大事なんだな。
今後しばらくはこのスタイルになりそう。

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このまましばらく104を聴き続けて耳を慣らしたところで、DACオペアンプ交換で音がどの程度変わるのか検証したい。