積み上がった段ボール箱をかき分け、ベッド周りを復旧させる。
シャワーは浴びた。寝よう。朝は早いんだ。
最近セットすることがなくなっていた目覚ましのアラームで目が覚める。
やたら寒い。室温がいつもより5度くらい低い。だけど、気温は昨日と同じくらいらしい。実はこの室温が普通で、前の部屋が特別暖かかったようだ。最上階で陽がガンガン当たっていたからな。鉄筋コンクリート造から木造になったのもあるかもしれない。
午前中に前の住居の粗大ごみの搬出をしなければならない。昨日買ってきたパンを食べて出掛ける。
最後まで部屋を占拠しているダイニングテーブルが運び出されるまで、何もない部屋の真ん中に座り読書をする。窓を開けて風を通す。春めいた陽射しが入り込む。やっぱりこの部屋は暖かかったんだな。
部屋の写真を撮っておく。
約3年寝泊まりした空間。
繁華街から少し離れていて、周囲は住宅しかない。おまけに坂だらけ。だけどその分静かで、自然も多く、住民の民度も高かった。
もしも自分にもっとお金を稼ぐ能力があったなら、当分ここに住み続けていただろう。住みやすい場所だった。
搬出を見送ったあと、そのまま役所へ行き異動に伴う諸々の手続きをする。
年に数えるほどしかない、温暖で自然と活動的になれる束の間の季節の過ごし方としては、所帯じみて嫌になる。
午後は少しだけ荷解きをしたり、ホームセンターに行って必要な資材を入手したりした。
夕方に配達業務。日中は暖かかったのに、陽が落ちた途端ガクっと冷え込む。軽装で出てきてしまったので震えながらのサイクリングとなった。
帰宅。お腹がちっとも減らない。買っておいたパンを食べる。
なんだかんだ、前の家が恋しい。
サイクリングに夢中になりすぎるのはよくない。
早く寝よう。
走り回った。かなり疲れているはずだ。