いつか消える文章

本当は、ペンとノートを持ち歩くことにあこがれている。

歌詞 -22

メッキが剥がれる リアリティ踏んだり蹴ったり 油にまみれまぶたの裏から 透かして見える行列 さながら 尺取虫

歌詞 -21

おろしたてのツーピースで 鐘を鳴らすささくれた両手 握りしめて 旅人がくれたきび団子を ポケットに仕舞いありふれた日常 取り戻す 手は届くよ 伸ばさないだけ

歌詞 -20

薬局の斜向かい 忘れられた道祖神朝もやに浮かぶ 歪んだ標識券売機が指し示す誘惑に負けて羊たちがひしめき合う谷底を 遠回り

歌詞 -19

石垣に佇む 伝書鳩襖の隙間 入っておいで煤けたチェロと 柱時計刻まれるのは 羽音だけ

歌詞 -18

7分遅れ 満員御礼呆気にとられ 鞄に隠れる 遠いさざめき 薄墨の雲ベーゴマのような つぶらな瞳 手垢まみれの でたらめな輪郭

歌詞 -17

耳たぶをかむ悶え苦しむ増える感情脆い岩肌 背筋が凍る床に寝転ぶ満ち足りた表情プロレタリアート

歌詞 -16

週末限定の夜行バス予約は不要 すぐに便乗隣にいるのは 時の旅人カーテンを閉めて 二人羽織 空っぽのダレスバッグ最後尾 不甲斐なく

歌詞 -15

半額セール 仮にそうだとしてカゴに入れても 抜け落ちる 粗探し 片手落ち 派手なウインカー 繰り出そうとしてランプ切れなら 素知らぬふり 稲妻の呼吸 脳天から爪先へ

歌詞 -14

もう見なくていい もう行かなくていい 白いうなじ 重なる線古い記憶の奥深く狭い道 笹の波袖からのぞく 詐欺師の手

歌詞 -13

忘れもしない 合言葉眠い目をこすりひさしから零れる 星の数ほどの サプリメント出涸らしの麦茶で 飲み下す

歌詞 -12

どうしても選ばれないんだ見え透いた因果四角いマンホール まんざらでもない 低気圧暖かな廃墟眠る三毛猫

歌詞 -11

揺り籠の中で 身の程を知る毛玉だらけの ミケランジェロスクリーニングをすり抜けてから木魚さえずる縁側に寝転んで

歌詞 -10

体重減少 間欠泉時代に先駆け トワイライト大理石から切り出した欲望 敷き詰めてコーヒーフィルター 黒く染める

歌詞 -9

泣く子も黙る 御意見番地の利を生かして 振り切る 流れ星水筒の紅茶を飲み干したら低空飛行 へべれけ ポニーテール

歌詞 -8

小さく実った 大きな水色観覧車から 解き放つ疲れた顔の 二つの桃色切羽詰まって 触れた手にくすぶる涙 紫の海

歌詞 -7

時給換算 天の使い貼って剥がせる 不動明王君の手に収まる ごついカメラで果て無き探求 フレームワーク

歌詞 -6

さらり 深紅のビロードに爪を立てて飛びしなる雷光のほころびを 笠から垂れて見ていた

歌詞 -5

浮かぶのは世界 霧をよけてわずかに揺れる 青信号真ちゅうのポケットに手を突っ込んで冴えない言葉 紡ぎだす

歌詞 -4

眉ひとつ動かさない 歪な獣一矢報いて ふさぎ込むピアノ線から 連なる陽炎差し込んだ光が 声を梳く

歌詞 -3

どれひとつ抗えない 万華鏡の縁心の臓が建ち並ぶ 商店街吸い込んだのは 柚子の香り引き裂かれた枕を抱いて 歌いだす

歌詞 -2

同じテツを踏み超えて 抜け目なく横たわるゾウを横目に 優しさを取り繕う身に着けた皮膚がすり落ちるとき 僕は言葉を変える見つけてよ 針の先を

歌詞 -1

熱が出る うなされる粉になる 上辺を滑る肩を抱く 先が見える叱られる 木に登る